ドイツの保存料(Konservierungsstoffe)について
保存料(Konservierungsstoffe)は、細菌、サルモネラ菌、カビなどの微生物の増殖を阻害し、食品の腐敗を遅らせることで食品の保存期間を延ばします。ドイツでは食品に合成保存料が使用される場合、名前、属、E 番号を食品に表示する必要があります。 「E」はヨーロッパを表し、欧州連合における食品添加物としての承認を表します。EU では 40 種類以上の保存料が承認されており、200 から 263 までの異なる E 番号に分類されています。
E番号で表記される主な保存料
1. E210 | 安息香酸 | ジャム、マーガリン、マヨネーズ、ケチャップ、ソーセージ、魚の缶詰、チューインガム、化粧品や医療用軟膏などに使用されます。 |
2. E220 | 二酸化硫黄 | 主にワインを製造する過程で使用されます。 |
3. E250 | 亜硝酸ナトリウム | 有害な副作用の発生が可能性としてあることから含有量は 0.5% を超えてはならず、加工肉製品(ソーセージやハム)を保存するための塩として添加されます。 |
4. E251 | 硝酸ナトリウム | 肉の赤色を保ち、細菌から守る働きがあり、加工肉製品肉の保存用、またチーズの塩の成分として使用されます。 |
5. E252 | 硝酸カリウム | 肉の赤色を保ち、細菌から守る働きがあり、加工肉製品肉の保存用、またチーズの塩の成分として使用されます。 |
6. E235 | ナタマイシン | チーズやソーセージのカビの増殖を防ぎ、長持ちさせるために使用されます。 |
7. E200 | ソルビン酸 | 焼き菓子、野菜のピクルス、ジャムなどの食品製造の防腐剤として使用されます。 |
8. E261 | 酢酸カリウム | 酢酸カリウムは酸性度の調整、つまり pH 値の調整 (緩衝機能) に使用されます。主に家庭用酢やビネガーエッセンスに使用されます。 |
9. E262 | 酢酸ナトリウム | 缶詰や瓶詰めの果物や野菜、パン、マヨネーズ、サラダドレッシングなどの酸性度調整剤および保存剤として使用されます。 |
10. E263 | 酢酸カルシウム | 缶詰や瓶詰めの果物や野菜、サラダドレッシングなどの保存用および酸性度調整剤として使用されます。 |
添加物(Zusatzstoffe)の表示方法
ドイツでは、添加物も「E」番号または特別な名前だけでなく、着色料や保存料などのクラス名でも記載する必要があります。例:「増粘剤 E 412」
E 100~180 | 着色料 | 食品の色持ちをよくし、見栄えのよい色に調整するために使用される。 |
E 200~297 | 保存料 | 細菌、カビ、酵母などの有害な微生物の増殖を抑制し、製品のより長い保存期間を可能にするために使用される。 |
E 300~385 | 酸化防止剤、酸味料 | 酸化防止剤は酸化反応による食品品質の劣化、味や香りの変化を抑制するために使用され、酸味料は食品の安定性や保存性を向上させるため、また食品や飲料に酸味を与えるために使用されます。 |
E 400~495 | ゲル化剤、増粘剤、保湿剤、乳化剤 | ゲル化剤や増粘剤は粘度を高め、保湿剤は水分を与えて製品の乾燥を防ぐ役割を果たします。乳化剤は水と油の混合物を安定化するだけでなく、製品ののど越しや口当たりを改善し、製品の品質を維持するために使用される。 |
E 500~949 | 膨脹剤、加工デンプン、風味増強剤などの各種添加物 | |
E 950~1521 | 甘味料 | 食品や飲料に甘未を与えるために使用される。 |
欧州連合では約 320 の添加剤が承認されています。
添加物の使用は欧州全土で EC 規則 1033/2008 によって規制されており、その指定に関する詳細な仕様はドイツで適用される食品添加物実施規則 (LMZDV) によって規定されています。
ここドイツでは法律でレストラン経営者、飲食店経営者に対し、食品に含まれる特定の成分について消費者に通知することが義務付けられています。
メニューの添加物に誤った表示をしたりすると、民事責任が生じる可能性があります。
以下の 14 種類のアレルゲンも消費者に通知する必要があります。